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2007.09.08 いつから?
ある人に訊かれた。
「天鈴くんと心が通じたと思ったのはいつ頃?」
ちょっと考えた。それは「いつだったかな?」と考えたからじゃなくて、自分の中にある答えを口にするのが気恥ずかしかったからだ。でも正直に答えた。
「会った瞬間から」

出会った瞬間から全てを感じた訳じゃない。今だって全て解りあえている訳じゃない。でも、確かな絆は感じている。
初めて会った時の、骨と皮ばかりにやせ細って、異様に頭が大きく見えた天鈴は、飢餓状態の震えが止まらない体でじっと私を見ていた。しゃがんで「どうしたの?」と訊いた時、天鈴は私の眼をじっと見つめて「ニャア」と言った。私はそれを「助けて」だと思った。そして、私は天鈴を好きになってしまった。出会ってから、家族にしてやるまで一ヶ月も掛かってしまったけれど…。
家に入れる直前、天鈴は足に怪我をした。獣医さんで処置を受ける間、天鈴は診察台の上で、抵抗はしなかったけれど怯えてオロオロしていた。それを見た先生が、私に頭の方に立って慰めてやってくださいと言った。「結構痛いと思うので、優しく声を掛けて気をそらしてやってくださいね」と。実際、傷の部分の瘡蓋をはがしたり、消毒薬を塗布したり、見ている私も辛いのが解る処置が行われた。
私が診察台に近づくと、天鈴は必死に私に抱きつこうとした。私は天鈴の頭を両手で包んで、「先生に治して貰おうね。ちょっと頑張ってね」と言った。それを聞いた天鈴は、首から下の抵抗を全て止めた。そうして、くっと首を伸ばして私の眼をじっと覗き込んだ。悲鳴は上げず、ただ苦しそうに喉を鳴らし、時々私に向かって「にゃあん」と小声で鳴いた。
痛いだろうに。痛い事をする獣医さんにも、怪我に気付くのが遅れた私にも、襲い掛かるだけの爪と強靭な力を持った天鈴がじっと耐えていた。目にいっぱいの涙を溜めながら、それでも天鈴は私だけを見て我慢していた。
あの時、最初に感じた絆は確かなものだと私は思った。
こいつだけは、私が全力で守ってやると決めた。
天鈴は私に命を預けたんだって解ってしまったから。
処置が終わって、獣医さんから私に引き渡された天鈴はぎゅっと私の首にしがみついた。まだ残っている痛みに震えながら、それでも柔らかく首に巻きついた天鈴の前足はとても温かくて優しかった。
同じ言語で喋る事が出来ないから、言葉に依れない分、天鈴とのやり取りは簡単だったり複雑だったり色々だ。
ただ、心は通じ合っていると思う事にしている。
そう思う事が、あの時の涙に濡れながら、それでもじっと私を見つめ続けた天鈴の瞳に報いる私の誠意だと信じているからだ。

悔しいのは、惚れているのは私の方だって事かな(笑)
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